桂小五郎と西郷吉之助の登場 金子重輔の宝「ボタオ」

                                         

第5話「志の果て」その1 からの続きです。

その頃、江戸にいる伊之助(大沢たかお)は
寅次郎からリクエストされた本を調達するために
待ち合わせをしている桂小五郎(東山紀之)に会います。

桂小五郎は、のちの木戸孝允で
西郷隆盛、大久保利通とともに
維新の三傑」と称されることになります。

桂も、かつて明倫館で兵学を寅次郎から学んだ一人でした。

伊之助が、他藩の藩士からからまれましたが
桂は、立ち上がりざまに
鞘に収めたままの刀で男たちを次々に打って
伊之助とともに店を飛び出し、逃げました。

さすが「逃げの小五郎」と言われるだけあって
見事な逃げっぷりでした。

 


 

金子重輔とボタオ

 

それからある日のこと、
獄の前で出会ったツルに会うと

「一緒に来てくださいませんか?」

震えるツルから懇願されました。

金子の病状がひどく、
獄に入って看病するように言われたのです。

文は、ツルを支えるようにして、
獄舎に足を踏み入れると
ぼろくずのように横たわっている金子がいた。

「ここから逃げよう」という

ツルの呼びかけに、金子は拒み、
手のひらで金色に光る小さなものをツルに見せた。

密航に失敗したあの日、
ドサクサの中で乗組員の制服から、
むしり取ってしまったボタオでした。

abotao001ボタオじゃ。西洋の着物に使う飾りじゃ。
  バラバラの布と布をつなぎ留める。まるで我々のようだ。
  君がいなかったら、今の僕はここにはおらん。

  もし一人だったなら、
  あの船に辿り着く前に海の上で果てていたかもしれん。
  これは取っておきなさい。戦いはまだ始まったばかりです。

  この先どんな苦難に襲われようと、
  今夜の我々の絆があれば志は必ず果たせます。
  その証しに・・」

と、寅次郎が金子に言ってくれたのでした。

「これはわしの宝じゃ。何度でも、何度でも、先生とまた海を渡るんじゃ」

「もう、そげなことせんでええ。家に帰ろう。母と一緒に静かに暮らそう。な !」

そう言って、ツルは金子を抱き締めるが、
金子は、何も見えておらず、何も聞こえてないようです。

「次の船はいつ来るんかのう。
  今度こそ海の向こらへ渡りたいもんじゃのう。先生」

ボロボロの身になりながらも尚、
目だけは輝いている金子を見て、

「誰?お前をこねえーにしたんは?」

ツルがそう言うと、文はいたたまれず
その場から去りました。

 


 

西郷吉之助

 

今度は、伊之助と桂は、
寅次郎の行動に賛同する他藩の藩士たちに囲まれ、
上機嫌で酒を飲んでいます。

「いやぁ。他藩の方々にそれほどまでお褒めいただくとは・・」

「あいつの目はいつも、些末な政や狭い世界を越え、もっと遠くを睨んじょるんじゃ」

その時に、野太い声がしました。

「なるほど。まっこて胆が太か男ごわんどな、そん吉田さあは」

asaigou001桂と伊之助が、その声のほうを見ると、
薩摩の西郷吉之助(宅間孝行)でした。

「おはんたちもこいから大変ごわんどなあ。
  武勇ちゅうもんは一人で成るもんじゃごわはん
  あとに続く者がおらんとなあ」

「あとに続く者?」 (聞き返す桂)

「 そん志を継ぎ
 西洋を学び西洋に伍するちゅう者が現れんかぎり、
 吉田さあの言うこつはただの跳ね上がりで終わりちんと。
 活かすも殺すも、おはんたち次第でごわんど 」

ここのところは重要ですね。
「寅次郎に続け !!」・・・というわけですね。

その頃、もう一人、寅次郎の名を記憶に留めたのは
彦根藩主・井伊直弼(高橋英樹)でした。だった。

「 吉田寅次郎?
 異国から学ぼうというのは、良い。
 が、牢で朽ち果てる・・か。勿体ないことをした 」

第5話「志の果て」その3
 へと続く

 


 

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