国事犯の未来を考えて

                                         

第46話「未来への絆」その1 からの続きです。

その頃、明治政府では、
木戸孝允、西郷隆盛の後を継いだ
伊藤博文 山県有朋 井上馨は
西南戦争後の問題に苦慮していました。

西南戦争で捉えられ国事犯となった者たちの
監獄が必要となったのでした。

そして、明治政府は、
彼らを各府県に引き渡し
労役に就かせることにしたのです。

そんな話を、毛利家で
安子は、毛利元徳から
ビフテキを食べながら、聞いています。

そんな安子から、美和に手紙が届きます。

群馬にも罪人達が送られることになったので、
くれぐれも余計なことには関わらぬように・・
と、美和を心配して釘を刺す内容の手紙でした。

 


 

国事犯への群馬県の方針

一方、県庁では、
職員たちが国事犯を煙たがる中、楫取素彦は、
群馬で引き取った国事犯たちについては、
釈放された後、
新たな生き方を見つけられるよう
働きながら、各自の適正に見合った
技能を身に付けてもらうことを提案します。

阿久沢権蔵は、反対しながらも
認めてくれます。

うまく行けば、
製糸業の人手不足を補えるし
うまく行かなかったら、
政府への楫取の失脚の口実となるからでした。

楫取は、早速、国事犯更正の協力先を
自分の足で探し始めました。

そんな折、県庁では
新規の職員の採用試験が行われました。

その合格者の中に、
二条窪の中原復亮がいました。

そして、楫取の協力者に中原が加わり、
工藤長次郎と中原と
三人で廻るようになります。

 


 

美和の『志』

一方、美和も一人で
一軒一軒、養蚕農家に
頭を下げて頼みますが、
断られ続けます。

そんな様子を
静かに見守るせいでした。

そして、せいが、美和に
どうしてそこまでしようとするのか・・?
ずっと疑問に思っていたことを
美和に聞いてきました。

すると美和は答えました。

「私の『志』やからです。
新しい日本を作る。
新しい日本人を育てる。

それがこの国の未来のために
戦い死んでいった兄や夫、仲間たち
みんなの願いでもあるんです。

そのために私ができることは
何だってするつもりです。

それが、このご維新を
自分の目で見てきた私の務めでもあると
思っております」

それを聞いたせいは、
私も手伝うと言って
美和を抱きしめました。

美和の『志』に心を打たれた
せいも、美和とは別行動で
頭を下げて歩いて廻るようになりました。

 

 

山が動く

1週間歩いて、手応えがなく
楫取、工藤、中原の三人が
重い足取りで帰って来ると
養蚕農家の人たちが楫取の元にやってきて、
国事犯たちを引き取ってくれる
と言ってくれます。

美和とせいが、養蚕農家の人たちに
頭を下げて廻ってくれたおかげでした。

また、船津伝次平もやって来て
船津の村でも、人をどんどん育てたいと
引き受けてくれるとのことでした。

そこへ、星野長太郎も
工場の人たちも受け入れに納得してくれた
と、駆けつけてくれます。

そして、縄で数珠つなぎになった
国事犯たちが、県庁へやって来ました。

「みなさんは、どんな未来を思い描いていますか?」
と楫取は切り出し、
国事犯たちに、
自分の思いを語りかけます。

最初は反発していた国事犯でしたが
「一人一人の未来を作るんです。
新しい道を切り開いて下さい。
それぞれに未来はあるんです。
それが私たちの願いです」
楫取が、そう訴え終えると
国事犯は、涙を流していました。

そうして、阿久沢を始め
県庁職員の心も動き始めていました。

 

 

久米次郎からの手紙

そして、美和が楫取家へ帰ると、
久米次郎からの手紙が
ちようど届きます。

嬉しそうに、美和が開封すると
「母の気持ちがわかるなら、
あなたには、今すぐ、
その家を出て行って欲しい」
と、そこには書いてありました。

 


 

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