心ないウワサ

                                         

大雨による足止めで、美和と楫取素彦は
旅館に二人きりで宿泊することになります。

ちょうどその頃、楫取が建設を進めていた
生糸の共同揚返場に
何者かが、火をつけていました。

深夜の群馬県庁は騒然となります。
阿久沢権蔵は、鈴木栄太郎から、
楫取と連絡が取れないと報告を受けます。

 


 

責められる楫取

美和と楫取は、翌朝に
火事のことを知ります。

楫取が県庁に駆けつけると
火は朝方までに消し止められたと報告を受けますが
火をつけたのは、
楫取のやり方に不満を持った
生糸の仲買人でした。

楫取は、同じ宿に
義理の妹の美和と泊まったことを
責められます。

工藤長次郎が説明するも、
阿久沢や職員たちは
納得しません。

廊下で鈴木が
「あの妹さんとそういう仲だったとは・・」
と言うと、
「バカか!そんなことある訳ねえだろう・・
あの県令殿だぞ。
だが火事よか、
こちらのウワサの方が広まるだんべ。
それも尾ひれがついてな」
と答える阿久沢でした。

阿久沢の言葉通り、
ウワサは広がっていました。

 


 

ウワサの波紋

美和が阿久沢商店の
糸引き場へ行くと、
女たちは冷たい視線を
美和に浴びせます。

せいは「人のウワサも七十五日。
収まるを待つしかないだろうねえ」
と言いものの、県令殿は
厳しい立場になるだろう・・と言います。

トメは「まあしょうがねえさあ。
大人の男と女だからねえ」
と美和に言いながら、
一緒に住むのは、
世間の目も気にした方がいい・・
と、言います。

自分のせいで
楫取が不利な立場に置かれていることに
責任を感じた美和は、
家を出て行く旨を楫取に伝えますが、
楫取は、気にすることはない・・
と、美和に言います。

だが、県庁では、この噂により、
養蚕農家の組合設置や
共同場返場の建設について
職員が、悉く異を唱え
すべてが白紙に戻ってしまいました。

楫取は、今、やらねばならないことをする・・と
工藤長次郎と一緒に、寺を廻って、
学校のことをお願いしていきます。

 

 

中原の来訪

そんな折、二条窪で楫取と開墾をしていた、
中原復亮が、県庁の楫取の元に訪れました。
夜になって、
楫取の屋敷を訪ねた中原は
将来への備えとして
二条窪の田畑を広げるために、
水をどのように確保したらいよいのか・・
楫取に相談します。

この話を聞いていた美和は、
中原に、農業の発明王・船津伝次平を
紹介することにしました。

翌日、美和が、中原を連れて
船津に会いに来ました。

船津は、赤城山に松の苗木を植え
この辺りの田や畑に、
以前より水が流れるようになった話をします。

山に木が根付くと、
水不足が解消されることがわかった
中原は、近くの山の手入れの
必要性を知り、喜びました。

山口へ帰る間際に中原は、
県庁を訪れた際に耳にした
職員たちの悪口を心配して、
美和に話します。

「せわあない」
「わかってもらえるはずです」
と笑顔で言う美和に、
中原は、安心した顔で
去って行きました。

 

 

寿への手紙

そして、東京で療養を続ける寿の元にも
美和からの手紙が届きました。

そこに現れた久米次郎に、
「美和が旦那様のそばにおってくれて
安心しております。
美和と旦那様は
何か通じるものんがあるんです。
私はもういらんのかもしれませんね」
寿は、そっと話しました。

第46話「未来への絆」その2 へと続く。

 


 

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