藩の財政難と諸隊の解散

                                         

長き動乱が終結し「明治」が幕を開けました。

世代交代した長州藩の政(まつりごと)を支えるため
楫取素彦は、中央政府から山口に戻って来ました。

明治2年(1869)奥御殿にも変化が起きていました。

都美姫が、夫の毛利敬親とともに隠居し
藩主の妻たる座を、嫁・銀姫に譲り渡しました。

「すごい出世ですね」と
美和に鞠が声を掛けますが
美和は相変わらず、畑仕事をしているのでした。

 


 

隠居した敬親と都美姫

その頃、敬親は病に臥せっており
都美姫が付き添っていました。

そんな敬親の元に、
敬親が育てた野菜を収穫し、
美和が届けに来ました。

その後、部屋から出て
都美姫は、久坂の子の話を聞き、
美和とは、何か通じるものがあるように
感じると言います。

 


 

元徳の知藩事としての最初の仕事

その頃、知藩事となった毛利元徳は
明治新政府から新たな命を受けていました。

版籍奉還に続き、今度は
兵制改革を要求されたのです。

これまで藩は、幕末の動乱を戦い抜くため
兵力を次々と増強し、
財政に大きな負担をかけて来ました。

奇兵隊など諸隊を解散し
財政の立て直しを図るという大きな使命が
若き元徳に課せられたのでした。

元徳の側近たちは、
奇兵隊をはじめとする諸隊から
武士だけを残し、
武士以外の身分の者については、
これを機に解雇するよう提案します。

この提案に対して、
楫取は、急いてはいけない・・
百姓、町人といえども
藩のために一生懸命、
命をかけて戦ってきたので
しっかりと話をするべきだと反対し
高杉小忠太も、楫取と同意見でした。

現在の長州藩は、優れた人材は
中央政府に引き抜かれてしまい
経験不足の若い藩士しか
残っていなかったのでした。

 

 

新しい時代の奥御殿

一方、美和は、奥の者が
新しい時代を、どう受け入れるべきか
模索していました。

美和が、奥が閉じられた場合の備えを
銀姫に提案するも
嫡男・興丸の将来を心配している銀姫は
頑なになっており、耳を貸さぬのでした。

 

 

楫取素彦と美和

その後、楫取より美和は
諸隊の兵が解散することになった話を聞きます。

楫取は、まず諸隊の兵に頭を下げ、説得し、
彼らの今後を考えるつもりでした。

美和も、銀姫の説得に難儀していることを
楫取に話しますと

「奥が変われば城も変わる・・
女が変われば男も変わる・・」

美和の言った言葉を引用して、
楫取は、美和を励まします。

そこへ、日出があわててやって来ます。

元徳が、楫取に相談もなく、
一挙に兵を解雇すると
通達してしまったのでした。

楫取が、元徳の元へ行き抗議しますが
早く成果を上げることに躍起になっている元徳は
耳を貸そうとはしません。

「このままでは済みますまい」
と、高杉小忠太が言います。

その言葉通り、不満を募らせた兵たちが
隊を脱走し、集結しました。
その数は、2000にもなりました。

第38話「届かぬ言葉」その2 へと続く。

 


 

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