吉田松陰の命日

                                         

第30話「お世継ぎ騒動」その1 からの続きです。

一方、品川弥二郎、野村靖らが
高杉家に押しかけ、
高杉晋作がいないかと
高杉の父・小忠太に問い詰めます。

そこへ高杉の妻・雅が現れ
高杉家の周囲で監視している
椋梨藤太の配下の姿を見せ、
騒ぎになれば、品川や野村たちに
面倒が振りかかると言って、追い返します。

 


 

羊羹作り

そんな中、伊之助が捕らえられ
投獄されたことを、
鞠が美和に知らせてくれます。

じっくり考えた美和は、
銀姫の侍女・潮に、
銀姫の羊羹作りを提案します。

銀姫の夫婦仲を案じた意見に
「よくぞ申した!」と
潮は、美和の手を取って喜びます。

美和の胸の内を聞いた銀姫は
「気に食わぬ」と何度も言いながら
羊羹作りに取り組みます。

銀姫は、美和と一緒に
あんを作って、
志乃たちにも食べさせ、
楽しそうに笑顔を見せます。

 


 

10月27日

そして、10月27日となりました。

「赤子が生まれた家臣の
祝いの品にと思いたちまして。
御前様にぜひお味見をと」

と、銀姫は言って
羊羹を都美姫に出すと

「美味じゃ。
姫がこれほどのものを作るとは」
と、都美姫は満足そうです。

銀姫は美和から指南を受けたと呼び、
「この者に褒美など取らせとうと存じますが、
如何でございましょう」
と言います。

都美姫が了解すると
「今日は兄の命日にございますれば、
同じ物を兄の墓前に備えたいと存じます」
と、美和は頼み込みます。

「相分かった。許す」と
都美姫は、許可してくれました。

そして、杉家では、美和からの羊羹が届き、
梅太郎、亀、百合之助、滝たちは大喜びです。

そこへ役人が踏み込んできて、
羊羹の器まで調べますが、
何もありませんでした。

 

 

野山獄に現れた高杉

その頃、野山獄に捕らわれた
小田村伊之助の前に、高杉が現れます。

なじみの端唄の師匠の家に、
今朝この手紙が届いたと
高杉は伊之助に見せます。

美和が銀姫に頼んで、
赤子が生まれた祝いにと
銀姫が雅に羊羹を送った
羊羹の箱の中に
美和から雅への手紙を
入れてもらったのでした。

そのおかげで、高杉は
吉田松陰の命日に墓に行かかず
監視の目をすり抜けることができました。

 

 

高杉と伊之助

松陰の刻んだ「至誠」の文字を
伊之助と高杉は見つめます。

高杉は言いました。

「久坂が死んで、
わしは決して迷わぬと決めました。
しかし、いささか参いっちょります。

藩から狙われ、
攘夷を唱えた仲間からも追われ、
わしは一体、何を成すべきか」

そんな弱気な高杉に
松陰が乗り移ったように
伊之助は言います。

「椋梨に惑わされ、
大事なものを見失のうてはいかん。

幕府は遠からず崩れ落ちる。
その後、この日本は誰が率いる?
我らじゃ !!

我らの手で徳川の世に幕を引く。
長州の手で、雄藩を結び、日本を動かす」
高杉は目を輝かせ
「面白い。日本を狂わせよと」
と言うと・・・

「今、ここにわしらがおるのは、
みなの思い抱え、事を成すためじゃ」
と伊之助は高杉を励ましました。

そんな二人の会話を、
高須久子が、そっと聞いていました。

第30話「お世継ぎ騒動」その3 へと続く。

 


 

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