蔵の道具

                                         

第29話「女たちの園」その1 からの続きです。

美和と鞠が、思いは違えども
奥で暮らす覚悟を
それぞれ言い合います。

それを聞いていた国島は笑い
を案内してくれます。

 


 

お道具

美和と鞠を案内しながら国島は言います。
「ここに置かれているお道具は
使われることはまずない。

使われるどうかわからぬ道具を、
手入れするだけの日々が、哀れと思うか?

それは誠の喜びを知らぬ愚か者じゃ。
時によってこれらは姿を変える。

光の加減で輝き、時が経てば、
触れずとも、ヒビが入り、
これらもまた生きておるのじゃ。
このの中での。

近頃よう夢を見る。幸せな夢じゃ。
これらが再び日の元で使われている。

皆の手の中で温もっている。

なぜだろう。そこにはなぜが私もいて、
次に生きる命は、ああここかと笑っている」

その頃、京では、辰路が産んだ赤子を、
幾松が抱いています。

辰路は、この赤子につながる萩や
文のことを話しています。

 


 

リストラの報告

蔵の中の道具を一つ一つ丁寧に
美和と鞠がチェックします。

そして、美和は、蔵にある
都美姫と銀姫の道具を
できる限り売り払って欲しい旨を
お願いします。

すでに国島の許しを得ていると話すと、
女たちはざわつきます。

売った金子(きんす)で、病の者、老いた者など
山口から萩に移動するのが難儀な者たちに
すべて与え、相応の屋敷と人を配置して
山口に残す・・と。

手厚くもてなされた者は、
生涯、毛利家へ尽くすでしょうし
使われなかった品々も
日の元で、大勢の者の目も楽しまる・・と

まごころを尽くし、
誠を貫けば、必ずや人の心は動き、
毛利家の繁栄は、この至誠の先にある・・
と美和は語るのでした。

この話を聞いた銀姫は
「私の女中をさらに下がらせましょう」と言い、
女中の数を調整してくれ、
都美姫も、銀姫の心がけを見習って
同じく調整してくれることとなりました。

 

 

幕府側からの要求

程なく城は、山口から萩に
戻されることになります。

このような中で、
萩での政の実権を握ったのは
椋梨藤太でした。

小田村伊之助・高杉晋作らの改革派は一掃され
城は、幕府恭順派一色で塗りつぶされした。

一方、幕府軍は総勢15万の兵で
長州を取り囲み、
長州への総攻撃の機を伺っていました。

幕府の長州征討の参謀の西郷吉之助と
岩国藩の藩主・吉川経幹
そして椋梨との話し合いが、
岩国で行われます。

西郷は、幕府に謝罪の姿勢を見せたら
長州への攻撃は中止するとのことでした。

それには、3人の家老の首を差し出すことと
動乱を煽った桂小五郎、高杉晋作の処分を
要求してきました。

その後、長州藩内に粛清の嵐が
吹き荒れることになります。

その高杉は、事態を察知し
雅の産んだ赤子に会ってから
姿を消します。

 

 

奥の移動

そして、奥の者たちが
山口から萩に移ってきました。

都美姫と銀姫が移ってくると、
「新しくお仕えする女たち、みなそろってございますれば」
と園山が出迎えます。

障子が開かれると、
乃木坂46の十福神が控えています。

「新しい住まいでお世継の顔を見ることができれば、
これ以上の喜びはない。
元徳のお世話をよろしく頼みますぞ」
と都美姫は満足そうに言います。

都美姫が去ってから潮が呟きます。
「女中の宿下がりとはこのために。
新しい女たちを城に招き入れるために」

銀姫は涙目で、その場を去ります。

美和は、都美姫の後を追い
都美姫に、この仕打ちに対して
問い詰めます。

すると、都美姫は

「我らは何のために萩へ参ったと思う?
この長州の危機を、生き延びるためじゃ。
表ではこの毛利家を残すために日々政がなされ、
殿や多くの家臣が身を削り働いておる。

我らもまた同じ。
お世継ぎを生み、育て、
毛利家を守らねばならぬ。
それこそが我らの誇り。
心せよ」

と美和に話し、立ち去ります。

その後、銀姫は美和に言います。
「何と申開きいたす!
お前のせいで飛んだ恥をかいた」

「よもや殿の側室を増やすために、
己の女中に暇乞いまでさせるとは!」
許さぬ」と怒る銀姫でした。

 


 

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