長州、朝敵となる

                                         

第27話「妻のたたかい」その1 からの続きです。

新居の久坂家で久米次郎と
文が話していると
入江九一の妹のすみが
あわててやって来ます。

すみからの話を聞いて
文も杉家にとんで行くと
みんな沈痛な面持ちでいます。

そこには、品川弥二郎と野村靖がいました。

 


 

久坂の死

一方、野山獄にいる高杉晋作には
前原一誠が、久坂玄瑞、入江九一、
寺島忠三郎らの死を伝えます。

高杉は、こんなつまらん戦で
あいつらが命を落とすわけがないと・・
「嘘じゃ、嘘じゃと言わんか!!」
と言って悲しみます。

その頃、杉家では放心している文に
品川が事の次第を報告し
久坂の遺髪を渡します。

そして品川は、すみに
入江が品川を庇って死んだことを
土下座して詫びます。

また、長崎の小田村伊之助の元にも
久坂の自刃の話は伝わります。

 


 

朝敵となった長州

山口の中河原御茶屋(藩庁)では
長州勢は、薩摩・会津藩の武力の前に完敗し、
朝廷から長州征討の命を下されたことが
藩主・毛利敬親に報告されます。

この「禁門の変」により
朝廷は長州藩を「朝敵」とし、
藩主・毛利敬親と世継ぎ・元徳親子の
処罰を命じたのです。

一方、今回の久坂への責めにより
久坂家は断絶、久米次郎の
久坂家への養子縁組は取り消しとなり、
久米次郎は小田村家に帰されることになりました。

文が久坂家に戻ると
役人たちによって
家は取り調べで荒らされ
その上、封鎖されてしまうことになります。

そこへ久米次郎が現れ
久坂に聞かせるためだと
『孟子』を諳んじてみせます。

そんな久米次郎を抱きしめ
文は泣きます。

 

 

それぞれの決意

追い詰められた文は、
久坂家の断絶を何とかしてもらえないかと
椋梨美鶴に会いに行きます。

椋梨藤太にも文は懇願するのですが、
椋梨は、松陰と久坂を罵り
冷たく文をあしらうだけでした。

文は、ただただ地面を叩き
己の無力を嘆き、伏して号泣します。

そして顔を上げ
何かを決意したようでした。

一方、野山獄の高杉が
ポツリと・・句を詠んでいます。

おくれても おくれても 又 君たちに
誓いし言を 吾忘れめや

「久坂、俺は狂うぞ」
高杉はそう呟きます。
高杉も、何かを決意したようでした。

 

 

文の決意

それから数日して久坂の法要の日、
長州藩の奥御殿総取締役の園山に
文は面会に行きます。

それから、文は、
久坂の法要に杉家に帰って来ます。

文の顔を見るなり、小田村伊之助は
藩の中枢にいながら
松陰のみか久坂まで死なせてしまった・・
と、文に詫ます。

文は、久坂のために法要に
集まってくれた人達に
お礼とともに
城中の奥で働く決意を話します。

松陰や塾生たちそして久坂が
なぜ死んだのか・・・
わからないままに弔いはできない。

下働きから始めて、
政の真ん中にのし上がり、
いつか殿様の御前に出られるようになったら
文の大切な人たちが
なぜ無残な死に方をしなければいけなかったのか
文は直に殿様に聞きたいとのことでした。

そうして文は、久米次郎に勝手を詫び
家族に別れを告げます。

「旦那さま、これまでの私はもうおりません。
『文』という無力な女の名は捨てます」
と文は心にそう誓うのでした。

 


 

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