下関での攘夷決行

                                         

第21話「決行の日」その2 からの続きです。

文は夫の久坂玄瑞に会うため、
義兄・小田村伊之助と共に
久坂のいる山口に向かいます。

山口の中河原御茶屋の仮藩庁に
二人が到着した時には、
すでに久坂は、藩命によって
攘夷決行の地である下関
向かった後でした。

その頃、下関の光明寺では
久坂が光明寺党を結成し
攘夷の檄を飛ばし、志士たちの
士気が高まっているところでした。

 


 

文の失言

その翌日、伊之助と文は、
中河原の御茶屋を訪ねます。ainosuke

そこで、久坂の働きが認められ
藩士になったことを
伊之助より文は知らされます。

そして、伊之助が席を外している時に、
文は敬親の妻・都美子から話しかけられます。

攘夷決行のための戦いについて
都美子から尋ねられた文は答えます。

「『攘夷』その精神が
この国を救うという人もおれば、
戦う前から『負け戦』という人・・」

この『負け戦』という言葉に
文は都美子の怒りを買ってしまいます。

そこへ藩主・敬親が現れ
文の迷う気持ちに理解を示してくれますが
『負け戦』という文の失言に対し、
都美子は冷ややかになり
伊之助に、文の世話役を断ります。

 


 

敬親の覚悟

この失言について
文は、敬親に謝罪します。

そんな文に敬親は言いました。

いつも想い出す。
迷い晴れず、時局見えぬ時
こうして寅次郎の言葉を・・・

今我が藩が突き進む二つの道
外夷には決して屈せず
じゃが、ないものは得る。

すべて寅次郎の予見通り・・
感謝しておる。
我が長州の宝に・・・

これからも絶えず問うであろう。
寅次郎ならどうするか ?
余に何を言うか ?
常にここ(胸)で・・・

感激した文は、敬親に
夫を見送る者として
心が迷っていることを打ち明けます。

敬親は、藩主として
心に決めていることがあると言います。

『志』ある者の
邪魔立てだけはすまい
と、決めておる。

なぜなら、誰しもその命潰える刹那
『生き切った』
そう思うて欲しいからじゃ。

背中を見送る時は常に願うておる。
『行け ! 輝け !!』と

その言葉に感銘を受けた文は
敬親に言います。
「私も覚悟して見送ります。夫を」

「そうせい」と敬親。

 

 

覚悟の見送り

文は伊之助と共に
久坂のいる下関・光明寺に行きます。a-koumyouji

文は久しぶりに夫の久坂に会います。

「おめでとうございます。
これでもう『医者坊主』とは
言われませんね」

武士の身分になった久坂に
文は笑顔で、さらに続けます。

「今更、申すことは何もありません。
ただお見送りに・・。

『志』をなし遂げてくださいませ。

私は、もう・・
あなたの無事を願うたりしません。
帰りを待ったりも致しません。

あなたという・・お人を
夫を持ったことを誇りに思います。

それだけです。
それだけお伝えしに・・

他に話すこと何もありません。
ご武運をお祈り致します」

久坂は文の思いを受け止め、
「ああ・・行ってくる」
それだけ言って
その場を去って行きました。

本当は久坂に行って欲しくなかった文でしたが、
敬親が言ったように、
『志』を遂げて欲しい、輝いて欲しい・・
と、思うことにしたのです。

そして、誰もいなくなってから、
文は泣くのでした。

 

 

攘夷決行

高杉晋作は、久坂たちに攘夷など
決行できるわけがないと思っています。a-houjutsu

そんな攘夷決行の5月10日、
夜が明けて早々、関門海峡に
フランス船が通りかかります。

奉行の許しを待つことなく
久坂の号令で砲撃が開始されます。

下関の海に砲声が響き渡ります。

 


 

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