奉行の取り調べ 老中間部の件

                                         

第17話「松陰、最期の言葉」その1 からの続きです。

無駄死したくなかったら
褒め言葉に乗るな・・との忠告を
牢名主の沼崎吉五郎から受け
吉田松陰は取り調べにのぞみます。

北町奉行所の石谷穆清(いしがやあつきよ)は、
梅田雲浜と面会した時の
話の内容や面会の趣旨、
また、京の御所で見つかった
御公儀を批判する落とし文についてなど
松陰に質問を投げかけます。

 


 

松陰の取り調べ

けれども、奉行たちはそれ以上
松陰を問いただしたりしませんでした。

なぜならば、松陰の罪になることは
何一つ掴んではいなかったためでした。

ashoin001「実は私は、死罪に当たる罪を犯しております」

取り調べはそれで終わるところでしたが
松陰の方から言い出しました。

「知り合いに類が及ばぬよう仔細は申しかねますが
この国のためを思い、よくよく考えた上でのこと。
己の行いに何一つ恥じるところはございませぬ」

と、松陰は堂々と言います。

奉行の石谷は、松陰を持ち上げ、
罠をかけます。

罠と知りつつ、松陰は
老中間部を京で待ち伏せをして
死を覚悟して諌めようとしたことを
打ち明けます。

 


 

希望

a-katori松陰の取り調べの様子は
高杉晋作からの手紙で
萩の小田村伊之助の元に、
直ちに届けられました。

松陰が、己から間部老中の件を
ほのめかしたことを知り
久坂玄瑞も文も、松陰が
何か目論見があると考えます。

その真意を江戸の松陰の元へ
確かめに行こうとする久坂を止め
代わりに、伊之助が
直ちに江戸へ旅立ちました。
松陰について幕府が
確たる証拠を掴んでいない
という知らせは
文たちにも希望をもたらしていました。

 

 

前原一誠

itoh-risukeそして、文と久坂が
塾の手入れをしていると
長崎から帰って来た伊藤利助がやって来ます。

「しばらくしたら今度は江戸に参ります。
桂さんのお供で・・・」

江戸に行ったら、利助は
松陰に会うつもりでした。

また、利助から前原一誠が
『伏見要駕策』を伊之助に漏らしたことで
萩の仲間には顔向けができないと
落ち込んでいる話を聞きます。

(長崎に行っていた利助に
前原のことを、なぜきくんでしょうね??)

前原のことを心配した文は
前原と親しかった松浦亀太郎の元に行き、
前原に塾に一度来て欲しい旨の連絡を頼みます。

そして、塾に顔を出した前原に文は言います。

「塾生の皆さんがいつでも
ここを訪ねて来られるようにしたいんです。

傷んだところを直して、
前原さんにも手伝うて頂いて・・」

「とてもそねな気持ちには・・
私のせいで・・
先生や入江や野村が
今も苦しい思いをされとるんかと思うと・・・」

そう答える前原に文はさらに言います。
「そういう思いを抱えた前原さんだからこそ
お願いしたいんです。

道に迷ようて、
ここへ帰って来る方たちがいたら
その方の、力になってあげてくれませんか?」

松陰も、きっと帰って来る・・
みんなで待ちましょう・・
と、文は前原に訴えるのでした。

 

 

高杉晋作との別れ

Print「萩へ戻れと、藩命が下りました。
悔しゅうて仕方がありません。
先生が命を懸けて
御公儀と渡り合うとるというんに・・
僕はまだ、己の死に場所すら
見つけられん・・」

松陰に会いに来た高杉は
牢を叩きながら嘆きます。

「それは生きよ ・・ということです。
君はまだ生きて何かを成さねばならん !!」

松陰は言いました。

「それは何なんですか ?
こんだけ先生とおっても
何一つ身についておらんのに・・・」

高杉の問いに、松陰は即座に答えます。

「僕は知っています。

どんなに無頼を装っても
君の殿を敬う気持ちは
いつも揺るがんかった。

ならば、いっそ
忠孝に徹したらどうでしょう。

萩に帰りなさい。

愚直に己を貫く時、
君は・・君と笑い、君と泣き、君を慕い、
そうした者の中で必ず輝く・・

萩には、君の友がいます」

松陰の言葉に、高杉の心は吹っ切れました。

 

 

松陰の真意

萩では、松下村塾に前原が現れました。
再び塾生たちが集まり、勉強会を始める様子です。

abotao001一方、松陰は、
高杉と話したせいか
国の者たちを想い出し
ボタオを眺めていました。

その頃、幕府では
奉行の石谷が井伊直弼に
梅田雲浜が死んだ旨を報告します。

雲浜は松陰のことは
何も言わなかったものの
松陰自身が、老中間部
命をかけてお諫めしようとした・・
と言い出したことも報告しました。

「なお一層、厳しく調べよ」

井伊は厳しい顔で命じますが、
なぜ、自ら罰せられるようなことを
松陰が言い出したのか疑問に感じます。

第17話「松陰、最期の言葉」その3
 へと続く

 


 

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