松下村塾閉鎖と再投獄

                                         

第14話「さらば青春」その1 からの続きです。

血判書を藩に提出する役を
自ら買って出た吉田稔麿は
久々に実家に戻ります。

松下村塾のことを心配する妹・ふさ、
「誇らしいよ」と稔麿を褒める母・イク。

そんな家族の思いに、稔麿の心は揺らぎます。

 


 

それぞれの複雑な思い

翌日、杉家では、百合之助が
楠公や赤穂義士の話を
幼い寅次郎に呼んで聞かせた話を
滝にします。

それは、忠義を尽くし、
悲愴な死を遂げた忠臣たちの話で
彼らのように命をかけて忠義を尽くせと
寅次郎に、最初に教えたのは、
百合之助だったと打ち明けます。

一方、稔麿の妹・ふさや、
入江の妹・すみから
兄たちの様子が心配と聞かされた文は、
あの優しい兄が、
塾生を傷つけるようなことは
決して無い・・・と二人に言いながら
自分自身に言い聞かせるのでした。

 


 

吉田稔麿 お役御免となる

その頃、吉田稔麿は
塾生を代表して同志の血判書を
周布政之助に提出しました。

稔麿の心には迷いがありましたが
恩師である松陰のことは
たとえ死罪になろうとも
裏切ることができませんでした。

しかし、このことにより、
稔麿はお役御免となってしまいます。

無職になり、途方に暮れている稔麿を
文は見かけます。

「無茶です・・・
 先生のやり方で、
 世の中を変えられません」

と、松陰を非難する稔麿でした。

 

 

家族に打ち明ける

文は、意を決して、団欒中の家族に
松陰の老中暗殺計画を告げます。

adaimajin一家断絶・死罪どころの騒ぎではなく、
長州藩の存続自体さえ危ういと
文之進は憤ります。

「何も事を起こせん長州など、 
 一度滅びれば、ええんです。」

松陰が、そう言うと
父・百合之助は、父の言葉は届かん・・と
松陰の顔を、思い切り何度も殴ります。

「お前は、この父が願ったとおりの息子じゃ。
 英雄と違わぬ志を持った立派な息子じゃ。
 世間が何と言おうと、こねぇに誇りに思う事はない。
 こねな嬉しい事はない。こねな嬉しい事はない。
 じゃが、許す事はできんのじゃ」

百合之助は、刀を抜いて松陰に握らせます。

「わしを殺してから行け。許す事はできん。
 寅次郎!父を殺せ!」

そして、刀を自分の首に押し当てる百合之助。

その時、梅兄が、傷つきながらも
無理やり刀を奪います。

 

 

松下村塾

ashoin「度重なる親不孝、申し訳もございません。
 じゃが、私には、親に背いても
 主君に背いても、やらねばならん事があるんです。」

松陰が家族にそう告げると
文がなじります。

「ここは、どういう場所なんですか?
 人殺しの算段をする場所ですか?

 やむにやまれん思いを抱えた人たちが集い、
 身分の隔てなくそれぞれの志を持ち
 誰にも言えん胸の内をさらけ出し合ってぶつかり合える。
 ここはそういう場所ではないんですか?

 松下村塾は・・
 ここは大事な学舎じゃないんですか?」

同志である塾生たちも
覚悟はできているはず・・と
断言する松陰に、
文は泣きながら言います。

「兄上を慕っているからこそ
 口をつぐむこともあるんです」

ちょうどそこへ、伊之助がやって来ます。

 

 

伊之助 松陰に引導を渡す

a-katori伊之助は松陰に言います。

「どうして、待てんかった !?
 お前はお家を敵に回してしもうた 」

「動かん藩を動かすには、僕らが動き、
 その渦に巻き込むしかない」

「あの血判書に名を連ねる事で、
 お前を慕う者たちがどうなるか・・
 お前考えた事あるんか?

 自分の言葉や行いが、弟子たちに
 どのような結果を及ぼすか分からん者は
 人の師たりえん。

 お前はもはや
 『先生』と呼ばれるに値せん !」

そして、伊之助は
松下村塾の閉鎖と、
松陰の野山獄の再投獄を告げます。

僕が獄に繋がれようと、塾を潰されようと
 僕らの志は絶たれることはない !

松陰が伊之助に、
周布にそう伝えるように言うと
伊之助が、再投獄の進言をしたと言います。

 

 

松下村塾閉鎖

ashouka002安政5年(1858)12月、
松下村塾は閉鎖され、松陰は
野山獄に再投獄されることになりました。

野山獄への出立に塾生は集まっていますが
稔麿だけ見送りに来ません。

松陰は、稔麿の家に
別れを告げに行きます。

「会えません・・・
 僕は、先生の大義のためには死ねません。

 先生の大義は、僕には大き過ぎます。
 もう、先生の教えを乞うことはありません。
 今までありがとうございました」

稔麿は家から出ずに
外に立つ松陰にそう告げます。

松陰は、無言のまま野山獄に向かいました。

 


 

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