小野為八と地雷火 戦いと一歩

                                         

第13話「コレラと爆弾」その1 からの続きです。

地雷火」の火薬が誤爆した時に
小田村伊之助は、松下村塾に訪ねてきます。

伊之助は、殿に何を言ってもいい・・
塾で何を論じてもいいが
松下村塾を福堂としている
松陰自身と塾生たちのため
この塾を壊すような真似をするな・・と、松陰を諫めます。

 


 

誠を尽くせば・・

そんな伊之助に松陰は言います。

お前は、塾生の何を知っておる !?

書をめくるだけならば、
一人座してすればええ。

ここへ来る者は皆、
それだけじゃあ満たされぬものがあるからじゃ。

身分に泣き、飢えに苦しみ、世に受け入れられず、
それでもやまれん思いを何かに注ぎたいと、
ここへ通う。
僕もその一人じゃ。
 
意見をするも、戦道具を工夫してみるも、
そのためじゃ !

軽挙妄動を慎むように言って
立ち去ろうとする伊之助に、松陰は、さらに続けます。

論じるだけでは国は変わらん。

伊之助・・・
ここを踏み出す一歩
いずれ世の中を変える。

僕らは信じとる。

誠を尽くせば・・
この狭い座敷からでも
世の中は変えられると !

 


 

第一歩の実験

Unpin_Umeda京に到着した久坂玄瑞は
梅田雲浜らと会っていました。

そこへ、高杉晋作が訪ねてきます。

「攘夷」は自分らに任せ
江戸へ戻れと行っても聞かない久坂に
せめて、文に手紙を書け・・と
高杉は告げます。

一方、萩では
キクは家族に引き取られ、
杉家を発っていました。

その頃、松下村塾では
小野為八が、松陰や塾生たちの前で
地雷火」の装置を完成させ
今夜、実験したいと言い出します。

「私の学んできたことが・・
 少しでも皆さんの・・いや・・
 この国のお役に立てるかどうか・・
 皆さんに見極めて頂きたいんです。」

夜明け前の河原なら
塾から出られない松陰先生に
成功の煙を見せることができる・・
と、前原一誠は提案します。amaehara

我々に、誠に何かを為す力はあるのか・・
 これは、それを確かめるための
 大切な第一歩です。

 私も知りたい・・
 力を尽くせば、誠に我々に
 世を動かすことができるんか !?

前原が、そう言うと、長い沈黙が続きました。

「やりましょう !」
沈黙を破ったのは松陰先生でした。
塾生たちは、一斉に準備に取り掛かります。

その時に、文が塾に走ってきて
小野為八の父・山根文季が
「コロリ」に感染したことを告げます。

 

 

「地雷火」の完成を報告

知らせを受けた小野為八
すぐに診療所に急行し
父に「地雷火」の完成と
明日の明け方に試すことを報告します。a-bakudan

「わしの方はどうやら・・
 異国に負けたらしい・・」
 医術も、己も、何の役にも立たん !」

と、衰弱し気落ちする父に
自分と仲間が必ず国を変える
でなければ、
医術を捨て打ち込んだ意味がない・・
小野為八は言います。

すると、小野為八の父は、
夜明けまで待つ・・と言います。

けれども、夜明けまで
待つことができませんでした。

 

 

戦いとは・・

Print塾に帰ってきた文が、
小野為八の父が「コロリ」で亡くなったことを
松陰に報告し、尋ねます。

「教えてつかぁさい、
 これも異国のせいなんですか?」

「突如現れて我々の暮らしに牙をむく。
 我々の力だけじゃ・・
 押し戻す事も、振り払う事もできん。」

松陰がそう答えると、
文は、また聞きます。

「・・やから・・戦うんですか?
 地雷火を使うて。」

にっこり笑って松陰は言います。

文・・・
戦いとは、
ただ戦(いくさ)のことを言うんではない。
戦いとは、
屈しない心を持つことを言うんじゃ !
お前も戦こうたではないか。
キクに字を教え、送り出した。
戦いを教えたんじゃ。
あの子が生きるために・・

そこに、小野為八が戻りました。

 

 

小野為八 松陰先生をおぶう

蟄居の身で、家の外へ出られない松陰を
「地面に足をつかなければいい・・」
と、「地雷火」の実験場所まで
背中におぶっていく小野為八は言います。a-kinoko

塾のみんなが進む道ならば
「地雷火」の爆発を見たい・・と、文は言いますが
女子には危険であり、
亡くなった父の代わりに見届けて頂きたい・・
と、小野為八は文を置いていきます。

長い時間、小野為八の背中に
おぶわれていた松陰でしたが、
途中で降ろしてもらいます。

この一歩がいずれ・・

そう言って、松陰は
自らの足で駆け出しました。

そして・・・
文は、遠くに黒煙が上がるのを見ていました。

 

 

久坂玄瑞からの手紙

高杉から言われたせいなのか・・
久坂から文のもとに手紙が届きます。

昨夜、ふとお前の顔を思い出そうと思うて・・

しばらくじっと考えとった。

いつの間にか、そのまま眠ってしもうた。

夢の中のお前は、

それは楽しそうで、幸せそうで・・。

いつまでもその顔を見ていたいと思うた。

そんな夫の手紙を抱きしめる文でした。

 


 

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