井伊直弼と開国と建白書 そしてコロリ

                                         

欧米列強が開国を迫る中、
江戸幕府・大老に就任した井伊直弼
通商条約は避けられぬと
開国」へと舵を切ります。

一方、「開国」に反対する勢力は
天皇を中心として京に集結、
外国を打ち払うことを主張します。

開国」か「攘夷」か・・・
途方も無い嵐が、
この国に吹き荒れようとしていたその頃
久坂玄瑞は江戸に遊学に行ったのでした。

 


 

松下村塾の近況

松下村塾の方は、
前原一誠が目出村から戻ったり、
長崎で洋式砲術を学んだ小野為八
新たに加わっていました。a-bakudan

小野は、「地雷火」という
地雷式爆弾について
松陰や塾生に説明をします。

そんな萩の様子を文は
江戸の久坂への手紙に書きますが
久坂は文に手紙を書こうとはしません。

 


 

「コロリ」の流行

その頃、文は、キクと名乗る一人の少女と出会います。

キクの母は、「コロリ」にかかり、
小野為八の父で医師の山根文季
治療に当たっていました。

「コロリ」とは「コレラ」のことで
萩でも、この伝染病は
人々の間に蔓延していました。

山根が言うのには
長崎に停泊中のアメリカ船ミシシッピ号で
発生し広まったとのことです。

TBSドラマ『JIN-仁-』こと
南方仁先生(大沢たかお)がいれば、
砂糖ORSを作ることが
出来るのですが・・・
このドラマでは、伊之助なのです。

当時の日本では、
「コロリ」の薬や有効な治療法がなく
「コロリ」に罹ってしまうと
三日三晩吐き続けて衰弱し
死に至るケースが多かったのです。

ですから、患者を隔離するしかなす術がなく
罹ると死を待つしかありませんでした。

キクの母も、やがて死に至ります。

 

 

「コロリ」の予防

重い病を前に、何もできず、
無力感に打ちひしがれる文は、
伊之助の実兄で
初代長州藩洋学所師範の
松島剛蔵を訪ねます。

松島は長崎で学んだ元藩医でした。

松島は文に、松下村塾に持ってゆけと
適塾緒方洪庵の「虎狼痢治準」を手渡します。a-ogata

文は松下村塾に戻り、
塾生達をお風呂に入れさせ、
「コロリ」予防を行います。

松陰は、苦悩していました。

我々は、すでに無力のまま、
 彼らの脅威に晒されとる・・!

コロリ」ひとつに揺らぐ
この国の現実を憂慮していました。

一方、井伊直弼も、形は違えども
国を憂う気持ちは同じでした。

今の日本に欠かせぬものは、
 病に打ち勝てる西洋の知識、文明じゃ !

そして6月、勅許を待たずして
異国との戦を避けて日本が前に進むために
井伊直弼は、アメリカとの修交通商条約
締結してしまいました。

 

 

久坂玄瑞 藩命に背く

WS000090 (2)江戸の長州藩邸では久坂玄瑞が
井伊直弼が天皇を彦根に移すのでないか・・
という噂の真意を確かめるために
京へ行かせて欲しいと
来原良蔵や桂小五郎に頭を下げていました。

医術修業という藩命が下されているため
両者からは強く反対されましたが、
久坂は藩命に背いて京へ向かいます。

このことは吉田稔麿によって
萩にもたらされ、高杉晋作は怒りますが、
伊藤利助は、藩の御歴々にこの噂を広め、
探索のために京へ人を送るように
仕向けることを提案します。

これから争いの中心は京になるため
公家や他藩の内情を探索し
情報収集が必要となるためです。

 

 

文にできること

ashinsakuそして、高杉晋作は文に
久坂が京へ行った話を伝えます。

「コロリ」で死んだ者を荼毘に付す煙を見ながら
高杉は叫びます。

「辛気臭お~て、かなわんのう~ !!
 何もかもが異国に振り回されっ放しじゃあ !
 病(やまい)も政(まつりごと)も・・・」

文がポツリと言います。

「あれを眺めとると、ようわかる。

 みなで夕餉を囲んで、
 その日あったことを笑いながら語らい、眠る。

 そげな当たり前の暮らしが、
 どれほど大切な宝物か・・

文に手紙も出さずに
勝手に京に行った久坂のことを
半ば呆れる文でした。

「せわぁない」

手紙がないのは達者な証であると
母・滝は、台所で、文を慰めます。

自分にできることを考えた文は
母を「コロリ」で亡くしたキクが
これから一人で生きて行くのに
少しでも力になるように
の読み書き」を教えようと、
富永有鄰と松陰の元に、キクを連れて来ます。

 

 

松陰の建白書

ashoin001この頃、幕府の横暴に危機感を募らせた松陰は
ひとつの建白書を書き上げました。

勅許を得ず条約が結ばれたことを
天子様(天皇)への大逆と断じ、
公方様(徳川将軍)を天下の賊とみなし
「公方様を討て !」という
過激な内容でした。

藩の重臣・長井雅楽は、
藩がとばっちりを受けると
この建白書を問題視しましたが、

伊之助は、井伊大老が
天皇を彦根に移そうとしている・・
という噂を持ち出し、
まずは、京へ人をやり、
建白書にある松陰の憂慮が
真か偽か確かめるべきと主張します。

 第13話「コレラと爆弾」その2 へと続く。

 


 

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