不美人の妻 結婚と夫婦

                                         

安政4年(1857)12月5日
杉文と久坂玄瑞の婚礼が
杉家にて執り行われました。

花嫁の化粧をしながらも
結婚が他人事の用に感じている文に

「せわぁ~ない。
 ゆ~っくり夫婦になりんさい」

と、やさしく微笑えむ母・滝でした。

文のあでやかな花嫁姿に、
祝福する塾生たちも新郎・久坂も
思わず見とれてしまいます。

祝いの席には、松下村塾を
あたたかい目で見守ってくれている
周布政之助殿と小田村伊之助殿も
駆けつけてくれました。

「寅次郎、これから長州は変わるぞ !!
 優秀な人材は
 どんどん登用されることになろう !」

伊之助は、久しぶりに再会した松陰に言いました。

 


 

KY (空気読めない) 高杉晋作

やがて、「宴たけなわ」となり
野村靖や松浦亀太郎などは裸踊りをして
場を盛り上げます。

asake祝いの酒はどんどん進み、
みんないい感じに酔っぱらってます。

そんな中、酔った高杉晋作が
悪気なく言ってしまいます。

「しっかし・・久坂のやつ、
 あれだけ言うとったのにのぉ・・・
『文は不美人じゃから、嫁には欲しゅうない』とぉ~」

この一言にみんな固まりますが
当の高杉は、全く気づきません。

「雨降って地固まるとはこのことじゃ、
 いやぁめでたい、めでたい !!」

と、高杉が叫ぶと・・
久坂は、文の様子を横目で伺いながら
ビクビクしながらグビグビと酒を飲んでいます。

 


 

実家に帰らせていただきます

adaimajin「言うたん?」

そう呟くと文に・・
久坂の顔は引きつります。

「言うたんや・・・言うたんやね?」

久坂の方におもむろに顔を向けながら
文は、念を押します。

「この話は後で・・みなが見ちょる」

「みなが見とるから、何 ?」

「松蔭先生に恥をかかせんな・・・」

「なして、寅兄さまが出てくるんです !?」

みんなの前で、二人の喧嘩は
エスカレートして行きます。

怒っている文は

「実家に帰らしていただきます !」

そう言って部屋から立ち去ろうとします。

「実家っわぁっ・・ここじゃが・・・」

そう言って、富永有隣が、
酔いつぶれて倒れます。

 

 

久坂との新婚生活

agenzui結婚式で、大喧嘩した二人でしたが
当分の間は杉家で暮らすことなり、
長屋を引き払った久坂が
荷車を引いて杉家にやってきます。

家族を失い天涯孤独に慣れてしまった久坂は、
何気ない日常のあいさつにも戸惑い、
照れくさそうですし、嬉しそうです。

そんな久坂が愛おしくなる文でした。

お互いに思い合っているのに
素直になれない文と久坂の
新婚生活は始まります。

夜、床に就こうとする時
久坂が文に、何かを言おうとします。

まさにその時、塾生たちが久坂に会いに
部屋に来ます。

久坂はそのまま、塾生たちと
松陰先生の講義に出て行ってしまいました。

 

 

安政の大獄の予感

akurofune江戸城では、老中・間部詮勝が
総領事ハリスの要求に屈した
幕府への不満が、
日に日に高まっていることを
井伊直弼に報告しています。

井伊は、厳しい面持ちで言います。

「徳川家すなわち幕府が力を持たなくては
 日本国が異国の侵略を
 許してしまうことになるという道理が
 なぜ、わからんのか・・

 御公儀を批判する者共に、
 厳しい処罰が下されることになろう」

安政の大獄の予感でした。

その頃、吉田稔麿は
入江九一とともに動き、
幕府が一部の大名に見せ諮問した
条約の内容の写しを
密かに入手して松下村塾へ送りました。

 

 

すれ違う小田村伊之助と寿夫婦

松下村塾生を江戸に送ることを
毛利藩主・毛利敬親が考えてくれる
と、周布政之助から
伊之助に朗報が入ります。

a-con01亀太郎の店でフグを注文し
寿のために金平糖を買い
機嫌よく伊之助は帰宅します。

次は寅次郎の藩士の身分を取り戻せるよう
働いてやる・・と意気込む伊之助に
寿は不満をぶつけます。

伊之助の働きで椋梨が失脚したり
文と久坂の結婚を勝手に取り持ったりして
椋梨の妻との縁が切れてしまったことを
怒っていたのでした。

伊之助のことをなじる寿に
伊之助は言います。

「いつもそうじゃ、おまえは・・
 私・・私・・私・・
 自分のことしか考えておらん !」

「・・いっつもそうです。あなたは。
 私や篤太郎といても、
 まるで独りで生きているよう。」

と、言って、寿は篤太郎を連れ
部屋から出ていきます。

二人の気持ちは
すれ違い始めていました。

 第12話「戻れないふたり」その2 へと続く。

 


コメントを残す