「諸君、狂いたまえ」「成そうとせんこと」「えろうなりんさい」

                                         

第10話「躍動 ! 松下村塾」その2 からの続きです。

そんな吉田稔麿の言葉、松下村塾の塾生の姿に
松陰先生は立ち上がって言います。

「吉田君の『』・・しかと受けとめた !」

顔をあげる塾生一同。

身分の上下、くだらん建前、
 全てこの『志』の前では一文の価値もない。
 古い考えに縛られてはならん !!
 思うように抗え・・

諸君、狂いたまえ !!

塾生達は「おおっ~!」と雄叫びを上げながら
一目散に塾から走りだした。

 


 

藩主・毛利敬親に訴える

ameirinkan001明倫館に、塾生が到着し
その騒ぎの声が聞こえてくると
伊之助は、何やら嬉しそうです。

藩の重臣である椋梨藤太を相手に
少しも臆することなく堂々と
松下村塾の塾生達は、次々と直談判します。

けれども、椋梨には取り付く島もありません。

その時、騒ぎを聞きつけ藩主・毛利敬親が
伊之助に連れられてやってきます。

伊之助が、これらの若者は
吉田寅次郎に学ぶ者達であると敬親に説明すると
敬親は嬉しそうです。

そんな藩主・毛利敬親に、高杉晋作は武士らしく
潔く事態の説明を申し上げます。
「椋梨様より、吉田松陰門下生たる者の心得について
 お話を賜っていたところにございます」

それに対し、椋梨が塾生達にダメ押しをし
あわや椋梨ペースになってしまいそうな時
伊之助が口を開きます。
「そう言えば、殿も吉田寅次郎に学ばれましたな」

「いかにも・・申さば、余も、松陰の弟子じゃ」
と敬親。

塾生達が不思議そうな顔をしている中、
間髪入れずに高杉が必死で訴えます。
「ならば、お願い申し上げます !!
 申さば、殿の弟(おとうと)弟子たる我ら
 江戸屋敷のお勤めの端に
 お加え頂きとうございます。」

敬親は事態が掴めたらしく
真剣な面持ちで問います。
におっては意味はなかろう !?」

稔麿が、真剣な眼差しで、敬親に答えます。
存分に学びとうございます!

敬親は、しばらく稔麿の真剣な眼を見つめてましたが
そうせい !!
と、にっこり笑いました。
稔麿の遊学が許された瞬間でした。

 


 

伊藤利助の『志』

itoh-risuke塾生達が飛び出して行く時に
伊藤利助は、走りだしてすぐにコケて
捻挫して、明倫館には行けず
文から手当をしてもらってました。

怒涛の如く飛び出して行った塾生達に
呆れている文に
松陰先生は言います。

「文・・・僕がこの世の中で
 一番恐れとるモンが何か、分かるか?

「怖いものなし」の兄と思っている文には
さっぱりわかりません。

何事も成さんことじゃ。
 そして、成そうとせんことじゃ。
 『志』の果てに迎える死以外で
 死にとうはない。断じて・・

そう言う松陰先生に、伊藤が言います。
「そのためには
 目先の誘惑やつまらん毒に
 足元をすくわれたくない。
 じゃから『フグは食べん』と」

見た目と違い、意外と優秀な伊藤に
松陰先生は言います。
「伊藤くん・・
 フグを食いたい。
 ええ暮らしをしたい。
 それがもし君の望みだとしても、
 それはおそらく
 君がもっと大きな何かを成すための
 手段に過ぎん」

えろうなりんさい !!

伊藤の可能性を見抜いたのか、
松陰は、そう言いました。

「はい!」
感激して泣きながら返事をする伊藤。
彼の心にも『志』が芽生えたようでした。

 

 

松下村塾増築

そして、稔麿が江戸へと旅立つ日がやって来た。

「文さんを好いとるようじゃ」
と、文の頭に乗ったモミジに話をすり替え
文に気付かれぬように、そっと告白して江戸に発ちました。

shouka02一方、杉家の裏に、納屋を改造し
松下村塾の新しい教室をつくることになり
師弟で皆で作業しています。

稔麿の江戸遊学が許されたのは
藩主・敬親につないでくれた伊之助のお陰・・・
伊之助とは一体どういう人間なのか
増築作業中に考えている久坂に

「近くにおらんでも、
 きっと遠くで私たちを見守っていてくれる。
 義兄上はそういう人です」

文は、そう言って微笑みました。

 

追伸 
今回も青春学園ドラマ風な展開に感動してしまい、
あらすじが少し長くなってしまいました。
次回より、短くなるように努めます(汗)

 


 

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