「人はなぜ学ぶのか?」寅次郎、伊之助そして禁書

                                         

第1話「人むすぶ妹」その1 からの続きです。

再び河原で伊之助と巡りあいました。

九州遊学から戻った寅次郎
伊之助と同じ禁書の「海防臆測」を入手していたことを知った文は、伊之助寅次郎を引き合わせたくなりました。

まだまだ人見知りで、思いをうまく言葉にできないは、
孟子」の言葉を暗誦して、兄がいる明倫館伊之助を連れて行きました。

そこでは、禁書を皆の前で破り捨て、
こんなことをしても無駄、次から次へと、この禁書は出まわる・・・
とばかりに、自分の持っている禁書を、懐から出して見せて
熱く論じる寅次郎の姿が伊之助の目に飛び込んで来ます。

 


 

『人は、なぜ学ぶのか?』熱く論じ合う寅次郎と伊之助

寅次郎伊之助が、禁書を通して「人はなぜ学ぶのか」について論じました。
大切な内容だったので、まとめてみました。

「たとえ、よこしまな本を読んだとしても
 己の頭で考えれば、
 何がよく何が悪いか人はわかるはずです。

 己の頭で考えることができる者は、
 かぶれも染まりもしません。

 ただ覚えるだけでなく、考えること。

 それを教えてくれたのは叔父上です。
 それにその本は
 よこしまな本などではありません」

「なぜ禁じられた本を読もうとするんか?

 知りたいからです。学びたいからです。

 今までの学問じゃ、もう日本国は守れん。
 本当にこの国のことを思う者は知っとる。
 
 死に物狂いで学ばんにゃ、こん国は守れんと」

「皆に問いたい。 人はなぜ学ぶのか?』

 私はこう考えます。

 学ぶのは、知識を得るためでも、
 職を得るためでも、出世のためでもない。

 人にものを教えるためでも、
 人から尊敬されるためでもない。

 己のためじゃ!
 己を磨くために、人は学ぶんじゃ!」

 

こんなやつ、このにおったんか・・・とばかりに
目を輝かせた伊之助は、
禁書の持ち主が自分であったことを打ち明け、
「学ぶ意味」について、自分の考えをぶつけます。

 

「この本は島国である日本国が、
 何をなすべかを教えてくれています。

禁書だからという理由だけで、
中身も読まず葬ろうというのは、
学ぶべき者の正しい姿ではありません。

人はなぜ学ぶのか?』

お役に就くためでも、
与えられた役割を果たすためでもない。

かりそめの安泰に満足し、身の程をわきまえ、
この無知で世間知らずで
何の役に立たぬ己のまま生きるなど御免です!

なぜ学ぶのか?

この世の中のために、
己がすべき事を知るために学ぶのです!

私は、この長州を、日本国を守りたい! 
己を磨き、この国の役に立ちたい!

そのために学びたい! まだまだ、学びたい!

こんなやつ、このにおったんか・・・ばかりに
やっぱり嬉しそうな寅次郎

こうして二人は、運命の出会いを遂げ、親友となります。

二人が論じ合うこの場面は、観ている者まで胸が熱くなりました。

 


 

「人こそ宝」と考える長州藩主・毛利敬親

多くの人の前で、禁書の所持を公言してしまった
寅次郎伊之助でしたが、
そんな彼らを、長州藩主・毛利敬親(北大路欣也)は不問とします。

人こそ宝と考える毛利敬親第13代長州藩藩主で、
有能な人材を登用し長州藩の財政を改革し立て直しました。

また、藩士の教育にも力を注ぎ若い才能を庇護し
明治維新への流れを作った藩主として知られてます。

寅次郎伊之助に大きな可能性を感じたのか
江戸遊学まで許してくれました。

黒船来襲まであと2年というところで、第1話の物語は終わります。

 

 

 

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