上杉景勝を選ぶ

                                         

第5話「窮地」その2 からの続きです。

一方、真田屋敷の広間では、真田昌幸が
国衆たちと軍議を開いている。

反真田派の室賀正武は、
織田信長が討たれることを見抜けずに
織田氏に従属した昌幸を糾弾し、
これからは昌幸の言いなりにならない・・
という姿勢を示す。

その時に、明智光秀から昌幸に宛てた
密書を、昌幸は掲示する。

 


 

上杉景勝との折衝

そこには味方についてほしい・・
という趣旨が記されており、
小県の惣代として、光秀が自分を選んだ・・と
声を張り上げて昌幸は主張する。

正武が言い返せないでいると
昌幸は話を進める。

信長亡き後の織田に
天下を治めるだけの力はないため、
織田を見限り、上杉につく。
信濃を狙う大名の中で、
小県の値打ちをわかっているのは
上杉だけなので、上杉の家臣となり、
小県を守る・・と昌幸は訴える。

この時、すでに、昌幸は
上杉景勝の元へ
弟の信伊を遣わせていた。

上杉氏の力を借りて、織田勢を
小県から追い払おうとしたのだった。

小県のすぐ北には、かつて武田氏と上杉氏が
激しく争った川中島があり、
武田氏の旧臣であった彼らにとって、
上杉氏は最もゆかりの深い大名であった。

上杉謙信から越後を引き継いで
4年になる上杉景勝は、
謙信の実子ではないものの、情誼に厚く、
篤実な性格は、まさに謙信譲りであった。

家臣・直江兼続の同席のもと
信伊と対面した景勝は、
昌幸からの書状を読み、
小県を預かることは承諾したが、
信濃から織田勢を追い払う件は退ける。

弱気を助け強きを挫くという
上杉家の家風を口実に、
信長の死で弱っている織田氏を
攻撃できないと、
言い訳がましく景勝が断ったのには
理由があった。

織田氏との戦いで、4万もの大軍に
攻めこまれた上杉氏は、
越中の拠点の魚津城も落ち、
苦境に立たされていた。

信長が死んだから救われたものの
上杉氏は、この時は、
瀕死の状態だったのである。
これを受けて、昌幸は
上杉氏をあきらめようとする。

 


 

滝川一益からの呼び出し

そんな折、昌幸に、滝川一益より
呼び出しがかかる。

ようやく一益も信長の訃報を知ったと
昌幸は悟り、北条氏に属すにしても
不義理をしているため時間がかかると考え、
織田氏にも、しばらくは
いい顔をしていた方が得策と思案し、
一益のいる厩橋城に信幸と向かう。

ところが、一益は信長の死をまだ知らず、
信長の天下統一が近いと信じ込んでいた。

あまりののどかな空気感に、昌幸も信幸も
呆気に取られてしまう。

一方、信繁は安土に戻り、
松が織田氏の兵たちにより
城内に連れ去られたことを知る。

矢沢三十郎や小山田茂誠とともに
混乱の中、松を見つけ出した信繁は、
松といっしょに捕らえられていた
20人ほどの人質を連れ、
古井戸の抜け穴をつたって
城外へと逃げ延びた。

徳川家康は、ちょうどその頃
岡崎城に辿り着く。

本能寺の変から2日が過ぎていたが
歴史は、ゆっくりと着実に動き出していた。

 


 

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